iPad Pro 10.5レビュー:大きさはちょうどいい?歴代サイズと比較してみた
iMacを新調した佐々木です(><)b
さて! iPad(無印)にApple Pencilが対応しましたので、iPadの大きさに関するこのエントリーを更新致しました!
歴代サイズと比較しつつ、iPadの最適な大きさを用途別にお話していきます。
「どのサイズを買っていいのかわからない」という人も、購入の目安にぜひご一読ください(^^)
iPadの歴代サイズについて
まず、2018年4月現在のiPadの歴代サイズをおさらいしておきましょう。
画面サイズ | シリーズ名 |
---|---|
7.9インチ | iPad mini |
9.7インチ | iPad iPad Air iPad Pro ※AirとProは販売終了 |
10.5インチ | iPad Pro |
12.9インチ | iPad Pro |
上記の歴代サイズと10.5インチを比較して、どのサイズがちょうどいいのかを考えてみたいと思います。
それと、ぼくのiPad用途としてはこんな感じ。
- ブラウジング(サイトやブログを読む)
- メールチェック
- 読書:電子書籍
- 読書:固定レイアウト書籍※1
- アニメ視聴
- ゲーム(ドラクエとか将棋とか)
- 作画などの手書き
まぁよくある用途ですね。なのでこれら用途で比較していきましょう。
※1の『固定レイアウト書籍』とは、画面サイズに応じてレイアウトが可変しない電子書籍のこと。
その筆頭がマンガですね。画面サイズに応じてコマ割りが変わったり、吹き出しの文字サイズを変えたりはできないわけです。あとは電子雑誌や大型本などもそう。誌面レイアウトを段組とかにしているのでレイアウトが固定です。
固定レイアウト書籍の変わり種としては、通称『自炊書籍』と呼ばれる書籍。紙書籍を裁断して、スキャンして、PDFデータにした書籍のことです。1ページ1ページ写真にして束ねているようなものなのでレイアウトが固定なのです。だから、あんまり小さな画面だと縮尺が小さくなって、ひいては文字も小さくなって非常に読みづらいのですね。
7.9インチと10.5インチの大きさ比較
そもそも論として、iPad miniはApple Pencil未対応なので、手書きしたい人は7.9インチを使うこと諦めるしかありません。残念です(ToT)
7.9インチは鷲掴みにもできるし軽いし、かつてはぼくも愛用していたサイズでしたが……時代の趨勢か、Appleさんの扱いがぞんざいになっている気がします。容量バリエーションも128GBしかないし(^^;
一方で、iPad(無印)やiPad Pro 10.5インチの重量が400g台になってくると、確かにiPad miniの必要性は少なくなってきているとも思います。軽いならば大きくてもいいというのがぼくの考えです。基本、画面はデカいほどに見やすいですから、デカくて軽いならそれに越したことはありません。
さらにはiPhone Plusの存在ですね。そもそもタブレットというカテゴリーがマイノリティになりつつありまして、多くの人がスマホ1台で何でもこなそうとした結果、スマホが巨大化し、7.9インチというサイズはますます肩身が狭くなってきました。
っと前置きはこのくらいにしておいて、7.9インチと10.5インチの大きさ比較をしていましょう。
一覧表にまとめてみました。○がよい・△がギリギリ・×がダメダメ、という評価です。
7.9インチ | 10.5インチ | |
---|---|---|
ブラウジング | ○ | ○ |
メールチェック | ○ | ○ |
読書:電子書籍 | ○ | ○ |
読書:固定レイアウト書籍 | △ | ○ |
アニメ視聴 | ○ | ○ |
ゲーム(ドラクエとか将棋とか) | ○ | ○ |
作画などの手書き | × | △ |
注目すべきは『読書:固定レイアウト書籍』の項目です。
固定レイアウト書籍なんて少ないと思うなかれ、我が国で最も売れている本はマンガであり、電子書籍マンガは固定レイアウトなのですね。(マンガは雑誌扱いだそうですがまぁそういうことをいいたいわけではないので)
つまり、ニッポンの電子書籍の多くは固定レイアウトといっても過言ではないでしょう!
で、iPad miniの7.9インチの『読書:固定レイアウト書籍』をなぜ△にしたのかといいますと、大型版のマンガではちょいと読みにくかったからなのですね、過去の経験上。
具体的にいえばアレです、『パレット』とか『タイム』とかの雑誌に掲載されている四コママンガ系単行本。
あれは通常のマンガ単行本より誌面が一回り大きいのです。それを7.9インチで読もうとすると、コマにビッチリ文字を書き込むタイプの作品だと、拡大しないと文字が読めないことありました。四コママンガはコマが小さいからなおさら。
『ジャンプ』などメジャーどころの週刊誌系マンガ単行本であれば、7.9インチでも大丈夫だったんですけどね。青年誌系の(週刊誌よりわずかに大きい)マンガ単行本も7.9インチで大丈夫でした。
あと雑誌とか技術書とかもほとんど固定レイアウトですから、そうすると7.9インチだとちょっと小さい。その点10.5インチはベストサイズといっていいでしょう。
ゆえに7.9インチを△、10.5インチを○としました。
そのほかの用途はどちらもそつなくこなしますね。
ちなみに『作画などの手書き』の項目で10.5インチを△としているのは後述します。
9.7インチと10.5インチの大きさ比較
iPad Pro 9.7インチは販売終了となりましたので、下表9.7インチは、2018年にApple Pencil対応となったiPad(無印)としています。
では比較していきます!
9.7インチ | 10.5インチ | |
---|---|---|
ブラウジング | ○ | ○ |
メールチェック | ○ | ○ |
読書:電子書籍 | ○ | ○ |
読書:固定レイアウト書籍 | ○ | ○ |
アニメ視聴 | ○ | ○ |
ゲーム(ドラクエとか将棋とか) | ○ | ○ |
作画などの手書き | △ | △ |
まぁ……サイズの違いはわずか0.8インチの差、パーセンテージにして約20%ということで、サイズによる使い勝手の違いはほとんどありませんですね(^^;
9.7インチも10.5インチも、なんでもこなせるオールラウンダーサイズといえましょう。
iPad(無印)とiPad Pro10.5インチの使い勝手もほぼ同じでした。いわれたら10.5インチのほうがデカく感じるでしょうが、両方を1日おきに使ってみて大きさの違いが分かる、そんな程度だと思います。
サイズ以外には、iPad(無印)と10.5インチの大きな理由としてはリフレッシュレートの向上があげられますが──この数字が向上すると、画面がより滑らかに動いて、Apple Pencilの反応もより向上するとのことなのですが、身も蓋もない話、ぼくは、そこまで滑らかさを実感することなかったんですよね(ToT) すっげ期待してたんだけど……期待値が大きすぎたのか?
滑らかさについても「いわれたら確かに、よりぬるぬる動いているかもな?」という程度でした。
なのでぶっちゃけ……仕事で絵を描くなどのプロユースでないかぎり、iPad(無印)で十分だと思います。もちろんiPad Pro 10.5インチのほうが何もかも性能が上ですし、両者を交互に使えばその性能の違いが実感できるのですが……コスパを考えるとiPad(無印)のほうに軍配が上がります。
さらにプロユースであっても、10.5インチではちょっと小さいのです。だから上掲比較表では、『作画などの手書き』を10.5インチも△としています。作画時に、背景とかしっかり書くには最低でも12.9インチは必要だろうと思います。欲をいえば15〜17インチくらい欲しいですね。
だから旧機種iPad Pro 9.7インチから10.5インチに買い換える必要もないでしょう。20%大きくなった程度では作画のしやすさも変わりませんでしたし。
いま買い換えるのはやめて、お金を貯めて、来たるべきデザイン刷新の日に備えた方がいいかと。
なお、リフレッシュレートと作画については『リフレッシュレート120HzでApple Pencilの反応速度はよくなったのか?』をご参照ください。
12.9インチと10.5インチの大きさ比較
大きさ比較の最後は、ノートPCかと見まがうほどの、iPad Pro 12.9インチとの比較!
この12.9インチを初めて手に取ったとき、ぼくは思わず「デカッ!?」と声を出してしまいましたね、ええほんとに。
しかも購入当時、Apple Pencilの在庫が不足してて、12.9インチにお絵かきすること1ヶ月も待ちぼうけ食らいました。Apple Pencilがなくちゃ、あんなのただのガラス板ですよ!
ってなわけで10.5インチとの比較です。
12.9インチ | 10.5インチ | |
---|---|---|
ブラウジング | △ | ○ |
メールチェック | △ | ○ |
読書:電子書籍 | △ | ○ |
読書:固定レイアウト書籍 | △ | ○ |
アニメ視聴 | △ | ○ |
ゲーム(ドラクエとか将棋とか) | × | ○ |
作画などの手書き | ○ | △ |
おおっと、ぼくは12.9インチに対して厳しいですね。ですが、12.9インチはいらないといいたいのではありません。
iPad Pro 12.9インチは、お絵かき専用端末であり、デスクトップPCのようなものなのです。
まず何より重い。だから持っていると手が疲れます。
さらにゴロ寝して使うには画面がデカすぎる(^^; 画面の端から端が視界に収まらないくらいデカいっす。
そういったわけで、12.9インチをデスク以外で使うならソファに座って使うのがようやくでしょう。それであっても、両手でがっちりホールドして使わないと手が疲れます。
電子雑誌などは1ページほぼ原寸大で読めますが……12.9インチ本体があれだけ重いと、10.5インチを横にして、スクロールして読んだ方がよいと思います。
つまり使用場所を選ぶため『ブラウジング』から『アニメ視聴』までぜんぶ△としました。ですが、机の上で使うのであればこれが○になります。キーボードとの相性もいいでしょう。
でもまぁ……マウスが使えないからねぇ(-_-) 本当の本気でiPad Pro 12.9インチをノートPC代わりに使うには、ぼくはマウスがないと無理だと思っているのですが……皆さんはいかが?
さらにゲームは……昔ながらの据え置きゲーム機と捉えるならプレイ可能? コントローラーをBluetooth接続して、12.9インチをちゃぶ台に立たせてゲームするとか?
まぁ据え置きゲーム機よりは取り回しやすそうではありますが、そこまでするなら他サイズのタップ操作でいい気がします。ソファに座ってはもとよりゴロ寝してもプレイできるし。
以上のように何かと支障が出るiPad Pro 12.9インチではありますが、それも仕方ないのです。何しろお絵かき専用端末ですから。
だから唯一にして最大の利点が『作画などの手書き』の項目です!
っていうか12.9インチは、作画のためだけに存在するといっても過言ではないでしょう!
何しろ最大画面サイズなので、他サイズと比べて作画しやすいのなんの。
iPad Pro 10.5インチが到着した当日にお絵かきしてみましたが、やはり画面サイズは小さく感じました。そのため頻繁に拡大縮小する必要があります。
その点 12.9インチは、もちろん拡大縮小がまったくいらないというわけではありませんが、その回数は段違いに減ります。拡大縮小の回数が減るということは、紙に近い感覚で作画ができるということですね。
でも欲をいえば、12.9インチはもっと大きくてもいいくらいです。
っていうか12.9インチこそ大きくしてほしかったですねぇ。ベゼルレスとかになったらもうちょい大きくならないかな?
なぜなら、PCのお絵かきソフトのように『パネル』を2列3列に展開して描画しようと思うと12.9インチではぜんぜん足りないのです。
まぁ最近はアプリ側の創意工夫により、描画領域を大きく確保できるアプリが増えたため、12.9インチの画面サイズでも支障はなくなってきましたが。
手書き・お絵かきアプリについて詳しくは『iPad Proへ真っ先に入れたいApple Pencilアプリはこの3つで十分!』を読んでね。
作画以外の用途としては、ぼくは写真加工のパス抜きに使っています。パス抜きとは、被写体の輪郭を『パス』という線でなぞって反転さして切り抜き、背景を白にする操作のことですね。
この程度の操作ならば10.5インチでも問題なくできますが、もちろん画面サイズが小さいため画面移動が多くなります。12.9インチのほうが移動が少なくてすむのです。
ぼくは両方持っているので使い分けていますが、パス抜きのためだけに12.9インチを買う人もいないでしょうから、パス抜きは10.5インチで十分でしょう。
まぁ……12.9インチ用途としてはそんなもんかな? あとはデザインとか?
ぼくは最近、デザインをガチすることはめっきり少なくなりましたが、間接的には関わっているためその経験上から見ても、Webデザインもグラフィックデザインも、おそらくその他デザインも、iPad Pro 12.9インチ単体で行うことは2018年現在は不可能ですね。
何しろアプリがない。フルバージョンのPhotoshopもないし、マイナーアプリでデザインしたら他人と互換取れないし。
さらにはマウス操作できないと泣き出すほどに不便だし。
Apple Pencilは、フリーハンドで線を引くようなアナログ的な操作には向きますが、1px単位の精密な操作には向かないんですよ。もちろんタップでの精密操作なんて論外。
精密さを求めるならやっぱりマウスがいいのです。あるいはマウス以上の何かを発明してくれたら話は別ですが、少なくともその『何か』は、iOS11で実装された両手による操作ではまったくありませんでした。
まぁAppleさんもその辺は分かっているからMacBookシリーズを残しているのでしょうし、iMacとかもようやくアップグレードしてくれたんでしょうし。
“くりえいちぶ”な現場はみんな常に死にかけてるわけで(爆)、そこに「MacやめてiPad Proだけにしろ」などと仕事の邪魔になることいった日にゃあ、立派な社屋に火を付けられかねませんね(><)b
Webデザインなんて、1pxズレただけでレイアウトが崩れるんですよいまだに。この辺いい加減、仕様策定団体かブラウザメーカーがなんとかしてほしいものですが。だから目測でフリーダムなデザインなどした日には、HTMLを書く人におうちに火を……(笑)
話ずれましたが(^^;、iPad Pro 12.9インチ単体でなんとかなる人は、文章書く人とかそのくらいでしょうね、今のところ。
ぼくは文章書くにもマウスがないとしんどいので、iPad Pro 12.9インチではなく、MacBook(無印)を常に持ち歩いています。思った以上にいろんなことができてとても気に入っています(^^)
つまりiPad Pro 12.9インチは、やっぱりお絵かき専用端末ということなのです。CADとかの設計方面は未経験ですが、本当にiPad Pro1枚でできるのか、かなり疑問です。
まとめ:けっきょくどの大きさがいいのか?
ということでまとめますと、2018年4月現在は、サイズとコスパを考えると『iPad(無印)』一択ということですね。
Apple Pencil対応したことで、iPad Pro 10.5インチとの違いがほとんどなくなりました。
iPad Pro 10.5インチが向いている人とは、ぼくのように「何はさておき高性能は素晴らしい」と感じる人くらいでせう(笑)
そしてプロかプロ並みにお絵かきする人は、iPad Pro 12.9インチでないと作画が厳しいですね。
なおiPad miniの7.9インチは、現状マイナー扱いなので特別な事情がないかぎりやめた方が無難。もうバージョンアップはしないのかなー?
いやー、それにしても、iPad(無印)のコスパはほんとすごい。
Appleさんは、今後、iPad(無印)とiPad Pro 10.5インチの差別化をどうする気なんでしょうね?
より薄く軽く、画面をLED化してさらにキレイに、顔認証とか色々付けて……という感じで高性能をもって差別化するとしても、Macのようにいろんなことに使えるわけではなりませんから、iPadにそこまでの高性能は現状いらないんですよね。
さらには、iPadがいろんなことできるようになった上で高性能化すれば、今度はMacBookと競合してしまいます。
となるとiPad Pro 10.5インチは、iPad miniに続きぞんざいな扱いになって、やがては生産終了の憂き目にあうのか……!?
このエントリーで比較検討したように、中サイズに2パターンも必要ありませんしねぇ。
だから──
- 根強い需要があるはずだからApple Pencilも対応してほしい7.9インチの『iPad mini』
- 中サイズは9.7インチだけにしてエントリーモデルとしての『iPad(無印)』
- 12.9インチかそれ以上に大きくしてほしい『iPad Plus』
──とこんな感じで3サイズにして、デカいヤツに『Plus』の名前を冠した方がスッキリすると思うんすけどね?
今後AppleさんがiPadシリーズをどうするのか。注目ですね〜(^^)