AirDrop(エアー ドロップ)は、Apple製品の最重要機能として大いに活用すべき!
と最近思いましたので、活用方法から始まって、AirDropが与える今後のインパクトを考えてみたいと思います。
なお、AirDropの具体的な使い方・設定方法はこちらをご覧ください。
AirDropとは?
まず「AirDropとはなんぞや?」ですが、簡単にいえば──
『データをクラウドにアップすることなく、iPhone・iPad・Mac間で直接送受信できる機能』
──です。
例えば、新幹線内で、iPhoneからiPadに動画を移動させて、iPadの大画面で視聴したくなったとします。でもこれを、iCloud等のクラウドにアップしようとしたら──新幹線の高速移動とトンネルに阻まれ、さらに、動画という大容量が足かせとなり、アップロードなんて夢のまた先。さらには、これをダウンロードしようと思おうものなら、新幹線は到着していることでしょう。
そもそも、目の前にiPadがあるのに、いちいちクラウドにアップするなんて回りくどいことこの上ありません。キャリアの通信上限にもすぐ引っかかってしまいます。
だから活用されるのがAirDrop。iPhoneからiPadに直接続して、データをコピーすることができるのですね、クラウドを介在させることなく。
使い方については、こちらのページに動画で説明致しました。合わせてご参照ください。
iPadを、プライベート・モバイルサーバーにする!
AirDropを活用し、よりよいデジタルライフを満喫するためにはどうすればいいか?
データが重いとき、およびインターネットに繋がらないときこそ、AirDropはその真価を発揮します。クラウドに膨大なデータが保存されていても、通信できなければ絵に描いた餅です。
それに、クラウド利用もお金かかりますしね。映像コンテンツをアップしておこうと思ったなら──利用料金は一気に跳ね上がることでしょう。
どうせお金を払うなら、大容量iPadを1枚購入して、そこに各種コンテンツを全部突っ込んでも──3年で考えたら、支払う金額はさほど変わらないか、安いくらいかもしれません。そして、通信不良の煩わしさにもイラつかずにすむというわけ。
ということで、もうおわかりでしょうか?
AirDropを最大限に活用するためには、iPadを、プライベート・モバイルサーバーにしてしまうのです!
言い方を変えれば、クラウドでサーバーを間借りするという使い方ではなく、鞄にサーバーを入れておくという発想です。そして、自分の周囲だけで、AirDropによってネットワークを即席構築し、データ通信を行う。
動画や音声などのコンテンツをあらかじめiPadに入れておいて、AirDropを用いて、自分の周囲にプライベート・ネットワークを即時構築。必要なときに好きなだけ、iPadからデータを引っ張り出して、大容量コンテンツを楽しもう、というわけです。
つまり、自分だけのインターネットを、自分の周りに展開させてしまおうという活用方法!
あたかも、ネットワークが自分の体にまとわりついている感じ。
なんか、周囲に結界を展開する魔法使いみたい!
iPhoneをサーバー代わりにしてもいいのですが……なにげに、iPadよりiPhoneのほうが高いのですよ、端末代金。ほしいのは『画面もついてる大容量記録媒体』なのですが、そうなると、iPadのほうが割安なのです。
近未来AirDropの使い方
以上の使い方は、2016年現時点ですでに可能なものです。『10万3000冊の魔道書』を持ち歩くのも、いまや可能なのです。
でもAppleさんには、AirDropをもっと進化させて、もっともっと使いやすくしてほしいと思うのです。
AirDropでスリープ解除できるようになったら
AirDropでスリープ解除して端末にアクセスできるようになったらすごく便利。
例えばKindle。現状は、クラウドサーバーにアクセスして電子書籍をダウンロードしていますが、電子書籍でも新幹線内だとダウンロードに時間かかるし、トンネル突入するとダウンロードできなくなって、ルートによってはひと駅待つ羽目に。
いわんや、Amazonビデオともなると、新幹線内でクラウドからダウンロードすることなど不可能でしょう。
一度は購入しているので、どこかの端末ではダウンロードされているのです。たとえばiPadで購入したなら、iPadにはダウンロードされているわけで。
でもiPadは鞄の中にあって、鞄は新幹線座席の上にのっけてしまい、下ろしたり上げたりするのは隣の人の迷惑なる場合……気弱な人は、動画視聴を諦めざるを得ませんね?
そんなとき、AirDropでスリープ解除できるのなら、iPhoneから、頭の上のiPadを操作できるわけです。
2016年現在のAirDropは『データを送る端末』『データを受ける端末』両方がスリープ解除されていないと送受信できないのです。これを、データ送信側であろうと受信側であろうと、片方の端末のみで操作したいのですね。
新幹線内でなくとも、在来線で吊革に掴まっているときも、iPhoneとiPad、両方広げてAirDropを操作するのは、すごく面倒。急ブレーキでよろけてしまうかもしれません。
よって、片方の端末で、もう片方の端末を操作したいわけです。iPhoneとiPadは、スリープしているだけで電源は常時入っているわけですから、これが可能のはず。MacBookも、持ち歩いているときは、シャットダウンしないなどマイルールを決めておけばオッケーです。
さらに、AirDropが常時接続できるようになったら
AirDropが常時接続できるようになったらよりいっそう便利。
もはや、データの移動とかコピーとか意識することなくiPhoneやiPadを使えるようになります。こうなると、AirDropの機能だけが残って、AirDropなんて名前はなくなっちゃうかもね。
AirDropでの常時接続は、アプリが担います。今のアプリは、クラウドには常時接続されていること多いですが、この要領で、AirDropにも常時接続すればいい。
そうすれば、クラウドデータも、端末データも並列に扱うことができます。ユーザーは、データがクラウドにあろうか、手持ち端末にあろうが意識することなく使えます。
そもそもユーザーにとっては、データがどこに保存されていようが関係ないのです。データを開ければいいので。
例えばApple純正ワープロソフト、pages。iCloud対応で、Macで書いた原稿を、iCloud経由でiPadでも編集できるのはいいのですが……データ同期がやたら遅いんですよ。まぁこれは、通信速度の問題というより、アプリ性能の問題かもしれませんが。でも少なくとも、AirDropで同期が取れるのなら、通信速度は関係なくなり、素早い同期が可能になります。
何度も書いて恐縮ですが、目の前にあるMacとiPadの同期に、わざわざ、iCloudを使う必要はないわけで。Macでpages原稿を編集終えたら、自動的にiPhoneにもiPadにもデータ転送されればいいのです。
まぁ、常時接続だとバッテリーは気になりますから、『pagesを閉じたら同期』というようなプログラムにして。
もう一つの例として、スポットライトによる全端末検索。
AirDropで常時接続されている端末すべてが検索対象になるわけです。
これはすっごく便利そうなので、ぜひとも実現してほしい機能ですね。
単語辞書をクラウドに上げる必要があるのか?
以上のように、端末間のデータ同期がより早くより簡単になればなるほど、活用シーンも広がっていきます。
そうすれば、端末を何台か欲しくなってもくるでしょう。
GoogleやAmazonは、クラウド指向です。端末を出来る限り安くしてクラウド利用で稼ごうとしている。または広告収入。でもこの先、広告収入だけで、費用莫大と思われるクラウドサーバー建設ができるのかな? さすがのGoogle様もきっついのでは?
まぁとにもかくにも、これをクライアントサーバーモデルといいます。
対してAppleは、端末売りで利益を上げている企業でもありますから、端末間のローカル接続をより強化していったほうが、ユーザーの囲い込みに一役買えるし、そして、開発サイドの事情をいえば、莫大なクラウドサーバーの建設コストを抑えることができます。
これはピアツーピアモデルと呼ばれています。
今後、データー量が幾何級数的に伸びていくとしたら、いつか、クライアントサーバーモデルは破綻してしまうかもしれません。信じられないほどの超巨大なクラウドサーバー施設に、星の数ほど張り巡らさせる通信回線。GoogleやAmazonに限らず、キャリアの負担も計り知れません。そしてその料金は、結局ユーザーに帰ってきます。
ですがピアツーピアモデルであれば、爆発するデータ量にも耐えることができそうです。クラウドサーバー施設建設費用的にも、データ通信量的にも。
こういう話に興味がおありなら、ピアツーピアについて説明したこちらのご参照ください
そもそも、たったひとつの単語をユーザー辞書登録するのに、クラウドアップする必要があるのか?
いま目の前に、iPhoneもiPadもMacもあるというのに、なぜ、わざわざクラウドにアップする必要があるのか?
集中管理しなければならないデータ以外は、分散させてほうが効率的だと思う今日この頃。
果たしてAppleは、ピアツーピアモデルを指向しているのか? それともAirDropの開発は単なる偶然か?
今後の推移を、人ごとのように(^^;見守りたいと思います。