お絵かきは、脳を拡張する
Google先生に聞けば根拠はいくらでも教えてくれると思いますが、絵を描くという行為は──
──脳を拡張する行為、だと思うのです、最近。
どういうことか?
人間のイメージというのは、実は大変曖昧なものなのです。
デッサンをしていると、それを痛感します。
いまのいま、この瞬間に見ていたモノの形を、覚えていないんですよ。例えば、お目々がつり上がっているキャラを見て、それを模写しようとしたのに、描画したらお目々は垂れ下がっていたり……!
ほんの数秒前に見ていた絵だというのに、です。
これを反復し、練習し、記憶していくことによって、デッサンや記憶画は向上していくわけです。
向上するとどうなるのか?
脳内に、確固としたイメージが1つできます。
つぎにまたイメージを鮮明に覚えると、脳にまたイメージが確立する。
これを繰り返してくことで、脳内のイメージはどんどん増えます。どんどん豊かになり、彩りも鮮やかになる。
例えるなら、モザイクがかかっていた脳内世界が、より鮮明に、より鮮やかに、よりはっきりと見えるようになってくるわけです。
視力の弱い人なら、メガネを掛けていない状態が、絵の練習をしていない脳の世界です。そしてメガネを掛けた状態が、絵の練習をした脳内世界です。
脳内世界がはっきりと、そしてたくさんのイメージがその世界を広げていくとどうなるのか?
シンプルに、発想が豊かになっていくと思うのですよね。
ひらめきの源泉は、イメージ脳だと言われています。
だからイメージ脳を強化すればするほどに、脳内は拡張されていく。
その練習にはイラスト練習が最適だと思うのです。
イラスト練習中に脳波を計ったら、すごいことになっていそうです。
ただし、拡張された脳内世界を活用するためには、もう一つ練習が必要だと思います。
それが文章です。左脳ということですね。まぁ最近の研究では、右脳左脳という分け方は必ずしもそうではないそうですが、ここは便宜上そのように説明しましょう。
イラスト練習して広がった脳内世界と、そこの住人であるイメージたちは、自由奔放好き勝手に遊んでいるだけです。
そこに「おもしろいこと考えなさい」と指揮をする能力が必要なのです。
その能力とは言葉であり、理屈であり、理論であるはずです。
脳内世界が広がった状態の脳に「これこれこういう発想がほしい」と命令すすると、脳内世界は、自身の豊富なストックを縦横無尽に組み合わせ、自由闊達なアイディアを出してくるわけです。
脳内世界が狭いと、限られた発想しか出てこないし、脳内世界が広くとも命令ができなければ、そもそも発想が出てこないわけです。
モノを考えるとき、この脳内世界を、『言葉』という思考が縦横無尽に駆け巡り、アイディアを構築する──というイメージでしょうか。
脳内世界が犬小屋では、『言葉』は壁にぶち当たって自由奔放に動けません。
脳内世界が宇宙ならば、それはもう、『言葉』は元気にどこへでも飛び回れて、何でも作れるでしょう。
つまりまぁ、右脳左脳両方鍛えて、全方位的な思考をしましょ、ということですが(^^;
そのために、文章を書き、イラストを描く。
この両方が、とても優れた練習方法だと思う最近です。